野球に詳しくなりたい…そのためのセイバーメイトリクス BABIP編
前回のIsoP編はこちら
☆対象
野球は好きだし、打率だとか出塁率だとかそういうものはわかる…でもちょっと踏み込んだOPSとかWHIPだとかは詳しくわからない…みたいなちょうど私のような人向け
☆第3回はBABIP
BABIPとは→グラウンド内に飛んだ打球のうち安打になったものの割合を示す指標。
計算式:BABIP = (安打 - 本塁打) ÷ (打数 - 奪三振 - 本塁打 + 犠飛)
☆BABIPのメリット
・運の可視化ができる
☆BABIPのデメリット
・投手の場合と打者の場合で数字の扱いが微妙に違う
・左打者は高い数字が出やすい
☆BABIPの見方(注意)
前提として…
・投手のBABIP平均はおおよそ.300程度に収束する!
・打者のBABIP平均は選手ごとに異なる。
・この指標は「本塁打以外のグラウンド内に飛んだ打球が安打になるかどうかは運」という考えに基づく
これらを踏まえて
・投手の場合
.300より数字が高い→グラウンド内での安打が多かった→運が悪かった→防御率は悪くなる可能性が高い
.300より数字が低い→グラウンド内での安打が少なかった→運が良かった→防御率が良くなる可能性が高い
・打者の場合
その選手のBABIP平均もしくはこれまでのデータと比較しながら考える。
BABIPが例年より低い→打球が野手に多くとられた→打率は低くなる
BABIPが例年より高い→打球が抜けた→打率は高くなる
例年の数字に比べ大きく変動が起こった場合、それが運または選手自身の成長や劣化であると考えられる。そこは、その他の指標と比較したり、フォームとか肉体的な変化などその他の要因から評価する。
☆具体例
・投手の場合
2018年 パットン選手 防御率2.57 BABIP.355
BABIPが.300を大きく超える→2018年は運が悪かった。
→(来年度平均値付近に揺り返しが来ると考えれば)来年度の成績はさらに良化する可能性が高い!
・打者の場合
2016年 筒香選手 打率.322 BABIP.332
2017年 筒香選手 打率.284 BABIP.317
2018年 筒香選手 打率.295 BABIP.306
不調といわれた2017年はBABIPに大きな変動があったわけではない
→本人自身の不調であったと考えられる。
2017~2018でBABIPは下がったが打率が上がった。
→運は悪い方だったが打率改善→来年は数字良化が期待できる。
☆まとめ
BABIPって何を評価しているのかわかりにくいので扱いにくさはあるのではと思います。また、これらの数値の相関や性質をさらに掘り下げるのならば、FIPなど別の指標も用いるのが適切です。
もちろん選手のすべてを評価しているわけではないですし、前提など結構制約のある指標ですね。
野球に詳しくなりたい…そのためのセイバーメイトリクス IsoP編
前回のOPS編はこちらから
gostars.hatenadiary.jp
☆対象
野球は好きだし、打率だとか出塁率だとかそういうものはわかる…でもちょっと踏み込んだOPSとかWHIPだとかは詳しくわからない…みたいなちょうど私のような人向け
☆第2回はIsoP
☆IsoPのメリット
・純粋に長打力を評価できる…長打率のように打率など別の要素から影響を受けない。
・数字が安定する→計算式上、年や運などに左右されにくい
☆IsoPのデメリット
・選手のタイプを知るためには打率も併せて参照しなければならない。
☆IsoPの見方
打率と同じ。
ちなみに、安打がすべて単打だった場合はIsoPは.000となる。
☆具体例
・算出
2018年倉本選手 .276 - .232 = .044
2018年嶺井選手 .282 - .177 = .105
・評価
打席数は…
倉本選手 235打席
嶺井選手 230打席
以上を踏まえると、ほぼ同じ打席数を与えたとき
→打率を残せるのは倉本選手
→長打を打てるのは嶺井選手
☆まとめ
打率とIsoPの二つの視点から選手を見ることで、一見低打率でも一発長打が期待できる選手だったり、長打は打てないが率は高く残せるという選手だったり多様だということがわかります。
札幌ドームではIsoP表示されてるらしいですね。
当然ながら、これは長打という観点から選手の力を数値化したものなので、選手のすべてを評価したというわけではないということをお忘れなきよう…
こうしたデータを用いることで野球を見る側面が一つ広がればと思います。
野球に詳しくなりたい…そのためのセイバーメイトリクス OPS編
私が勉強するもののまとめとしてブログに残します。振り返ったときに時間を取らないように、なるべくかみ砕いた形で書きたいですね。
☆対象
野球は好きだし、打率だとか出塁率だとかそういうものはわかる…でもちょっと踏み込んだOPSとかWHIPだとかは詳しくわからない…みたいなちょうど私のような人向け
☆第一回目はOPS
OPS(オーピーエス、オプス)とは→打者が得点にどれだけ貢献しているかを示す指標。
☆OPSのメリット
・算出が簡単…足し算するだけ!
・得点との相関関係が強い…打率と得点よりもOPSと得点の相関係数のほうが高い。
☆OPSのデメリット(注意点)
・出塁能力、走塁能力が過小評価されている
・打者のタイプはわからない
☆データの見方
〇.〇〇〇〇みたいな数字で表現する。基本1を超えることがないので、一の位がはしょられることが多いが、2018年ソト選手の1.008ように1を超えるときはそこまで表示しますね。
開発者による評価:A~Gの7段階に分類する。
評価 OPS
A:素晴らしい .9000以上
B:非常に良い .8334 ~ .8999
C:良い .7667 ~ .8333
D:並 .7000 ~ .7666
E:平均以下 .6334 ~ .6999
F:悪い .5667 ~ .6333
G:非常に悪い .5666以下
☆具体例
・算出
2018年筒香選手 .393 + .596 = .989
2018年宮崎選手 .363 + .532 = .894
・評価
筒香選手 .989 → 素晴らしい
宮崎選手 .894 → 非常に良い
・しかしその実…
筒香選手 打率.295 三振数107
宮崎選手 打率.318 三振数45
→三振数が2倍以上違う!
ついでに打順も違う→打席で求められる役割も違う
と、一概にOPSでの評価で選手を評価することはできない
・まとめ
OPSというデータを知ることで、野球の見方が一つ広がればいいなと思います。
ただし、先ほどの例のように打者にもいろいろな役割や性質があります。あくまでOPSなどはある側面からの評価であるということを理解すべきですね。
ドラフト育成1位 宮城滝太選手について
181cm69kg右投右打
☆経歴
嘉手納ライオンズ-読谷ボーイズ-滋賀学園高
☆背番号など
支度金300万
年棒370万
背番号100
☆選手として
細身ながら柔らかいフォームでキレのいい変化球とMAX142kmのストレートを投げ込む先発型右腕投手。スライダー、カーブ、チェンジアップが持ち玉。三年夏には大会タイ記録となる7者連続三振を記録した。二年生時春の選抜で甲子園出場。
☆考察という名の所感
京山選手や阪口選手のような、しなやかな体使いがなんともDeNAが好きそうな選手ですね。強みは奪三振能力と制球力でしょうか。大きな縦スラを決め球として生かしながら、四球少な目にまとまった投球ができます。また、投球の軸として扱うストレートは、142kmでありながら三振を奪える球になっています。体格ができて、球威やスタミナがつけばこれがさらにパワーアップするわけですから、かなりの威力の球が期待できるかもしれません。体格、フォーム、体力と成長できるポイントが多くありながら、高校時に見せた7連続Kなど瞬間風速でその片鱗を見せつける、こうした伸び代という点では本指名の選手にも負けない可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。
育成指名ですし完全に素材の選手ですから、課題とかそういうものはこれから見つけていくのだと思います。球団がどういう点から育成を始めていくのかも注目です。
横浜は砂田選手はじめ、国吉選手や笠井選手など多くの育成出身選手がいます。さらに昨年は中川虎大選手が二軍で一年目から防御率5点台をやってのけるなど可能性を示しています。宮城選手もこうした選手に続いて支配下登録を勝ち取ってほしいものです。
ドラフト6位 知野直人選手について
181cm81kg右投右打
【NPB】DeNAから6位指名を受けた新潟アルビレックスBC・知野直人内野手が新潟市のエコスタでDeNAと仮契約。契約金2500万円、年俸600万円(金額は推定)、背番号は「60」に決まる。知野内野手「背番号60と言えば知野、と言われる、球界を代表する選手になれるよう頑張りたい」 pic.twitter.com/owQ4aBMdrk
— 新潟野球ドットコム (@niigatayakyu) 2018年11月12日
☆経歴
三条市立四日町小学校-四日町中学校-聖光学院-第一学院高校-新潟アルビレックスBC
☆背番号など
背番号60
年俸560万+契約金2350万
☆選手として
打撃力がウリの大型内野手。強豪聖光学院で高校1年時からベンチ入りを果たすが、一度野球から離れる。再起し第一学院高校を卒業。その後新潟アルビレックスBCに練習生として入団。凄まじい勢いで成長し契約選手昇格すると.350の大活躍。一躍ドラフト候補としてNPB複数球団から注目を集め、翌二年目にしてプロ入りを果たした。
☆考察という名の所感
身体能力特化マンその2。走攻守において光るものを魅せる素材型の選手。遠投120mと肩が強く三遊間を守る選手としてはストロングポイントです。どちらかと言えば攻撃型の選手かと。三振は多いがとにかく長打が打てるのが魅力で、おまけに走れるとくるので梶谷選手っぽさがあります。体格もよく、体勢を崩されても強い打球を飛ばせます。知野選手評を調べると、とにかく粗さという言葉を目にします。有識者諸兄から粗さがあるという評価をされながらも独立リーグでの素晴らしい成績を残すということは、ほぼほぼ才能で戦っている状態でしかもかなりの才能を持っているのかもしれません。新潟では遊撃か三塁をメインに守っているのでプロでも同じ守備位置でいくのか、それとも二塁手にも手をつけるのか見物です。
盗塁数と同じくらい失策もしますが、積極性の裏返しという側面もありますし、年齢も年齢なのでまだご愛嬌というところでしょうか。ただ、そこですっころんでしまうとゆくゆくは外野コンバートの可能性も捨てきれないでしょう。
なんにしても、まずは打てることが前提ですからしっかり打てるようになってほしいものです。梶谷選手や阪神の糸井選手の内野版になってくれるといいなぁと思います。
あけましておめでとうございます!
明けましておめでとうございます!
今年は昨年のリベンジじゃい!ということで優勝してほしいですね!
2018年はありがとうございました。今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
ドラフト5位 益子京右選手について
176cm 85kg 右投右打
☆経歴
明保学童野球部(西が岡小)-宝木中-青藍泰斗高
☆選手として
二塁送球タイム1.72秒を誇る強肩が売りの捕手。守備面だけでなく高校ではキャプテンで4番を務め、通算23本の長打力も兼ね備える。高校一年時から公式戦に出場し、一学年上の石川翔選手(中日)とバッテリーを組んでいた。二年時にはサードとしても出場。三年夏は白鴎大足利に破れ甲子園未出場。
☆背番号など
背番号32
年俸500万+契約金3000万
☆考察という名の所感
ドラフト時のドキュメンタリーで話題になりましたね。
すでに肩という圧倒的アドバンテージを持っているのは有名な話ですね。プロでもその実力を発揮できるならば、数字的に考えて間違いなく通用しますし、それを自信にすることでよい成長を促すこともできます。
肩が有名すぎますが長打力もなかなかで、他の高校生野手と比較するとストロングポイントと言えるものを持っているのではないでしょうか。個人的に漂わせる風格が非常に好きです。
ただし、高校生上がりなので課題も多く持ち合わせます。送球以外の捕球能力や壁性能など守備面は指導が必要そうですし、打撃は粗さが目立ち、それが数字に表れています。そういう意味では完全に素材型の選手ではないでしょうか。
打撃面をどれだけ成長させられるかが正捕手への鍵となるのではないでしょうか。
一年目として、山本選手が残した数字がまず目標になるでしょう。また、同時に実戦で最大の長所たる肩がプロでも通用するという手応えと自信を掴むことが大切だと思います。
益子選手に期待しましょう。